大夕張10景(4)
山すその街なみ
画・・・・野 田 淑 雄
文・・・・佐 藤 貞 雄
 西側の山にへばりつくように住宅が建てられ南,北に幹線道路が走っているため,住民は悲しいときにも,うれしいことにも東の空にそびえる夕張岳を眺める。
 しかし春日町対岸の,磯次郎沢の尾根に立って西を見ると,標高768メートルの,通称三角山のすそに広がる,整然とならんだ炭住の街並みの美しさは立体的であり,牧歌的でもある。
 円錐形の三角山は,古い大夕張っ子には懐かしい存在である。スキーツアーに,春はたけのことりにと,住民と密着してきた。
 世代は変わったのだろうか。三角山を知らないものが多くなった。でも時には,この山が見える地点に立ってみよう。大夕張の歴史を,この山は語りかけてくれる。



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